本との出会い

18年前定年になった。長年自分の心の中で疑問だったことにやっと向き合うことが出来た。女房も私も、まじめで正直な働き者だった。なのに長男は学校のいじめをきっかけに、引きこもり、浪費、家の中で暴れるようになり、家族がめちゃくちゃになってしまった。

「なんでこんな夫婦に、なんで正直に生きているこんな家族がこんな目に合うんだろう」と疑問で仕方なかった。

自助グループに通った。最初のテキストは「ACのための12ステップ」だった。主に否認について書かれていたと記憶している。

4～5年経って「ビッグレッドブック」がてきすとになり、私はこの本で原家族の「史を知り、私の家族の実態を分析し、そして自分自身が何もであるかを知ることが出来た。

自分自身の中の神を見つけ、自分自身の生き方を変えることが出来たのだ。

そしてある時、ある仲間からこのトラウマ本が差し出された。

びっくりした。すごい本だとすぐに分かった。読み応えのある分厚い本だが、私が定年後、自助グループで学んできた全てが、そう、全てが網羅され書かれていた。

さらにどうしたら回復できるかと具体的に書かれていた。ACの研究、PTSDの研究、トラウマの実態と回復方法が書かれているのだ。

私は未だ苦しんでいる仲間に、まだこの本を知らない人たちに、「こういう本があるぞ！！」と是が非でも知ってもらわなければと強く強く思ったのだ。